秋が深まると、デパートやスーパー、コンビニなどで、おせちの予約が開始されます。おせちは何段にも連なる四角い箱に入っており、この箱を重箱と呼びます。四角い形が基本ですが、最近ではデザインに凝った六角形や八角形のものを見ることもあります。おせちの重箱は五段重ねになっていて、上から順番に一の重、二の重、三の重と呼びますが、四段目だけは、四という呼び方をせず、与の重と言います。

重箱は毎日の料理を入れる物ではなく、ハレの日に料理を詰める特別な箱として使われていました。つまり、晴れ舞台という意味であり、大事な場面に使用されるものなのです。お正月もハレの日であり、縁起を担いだ意味を持っているので、重箱を使用します。もちろん、ただの縁起担ぎだけでなく、実用的な理由もあり、重なる箱がふたの役割を果たすので、料理が乾燥したり、虫やほこりがつくのを防いでくれます。

また、箱を重ねてあるので、場所を取ることなく、持ち運びに便利というのは、大きな利点でしょう。重箱は段によって、詰めるおせちが変わってきます。一段目は祝い肴という種類の物で、黒豆や数の子、田作りなどを入れてください。二段目は口取りや酢の物を入れるので、紅白かまぼこや栗きんとん伊達巻きなどが入ります。

三段目には海の幸を中心に焼き物料理である、タイやブリ、エビなどが収まり、四段目は煮物系の昆布巻きやくわい、八頭などになります。五段目は意外にも空っぽにしておくのが習わしで、神様から頂戴した幸福を詰める場所と言われています。おせちのことならこちら